テーマ:エステートプランニング
3月10日にアルバニーシニアーセンターで、エステートプランニング専門家メリットゆか弁護士を迎え講演会を開催しました。メリット弁護士の講演は「エステートプランニングとは何か、そしてその目的」についての説明から始まりました。 税金や費用を最小限に抑え、また病気になった場合などの医療判断や資金管理をあらかじめ信頼できる代理人に委任する等、緊急の際にスムーズな遺産相続を可能にするための準備・手続きがエステートプランニングです。
アメリカにおける遺産相続では、プロベート(Probate) という手続きを行う必要があります。プロベートとは遺産相続に関する法廷の監視の元で行う手続きで、弁護士費用や遺言執行者費用など数万ドル単位の費用と9ヶ月以上の時間がかかります。 財産を「プロベートの対象でないもの」とするための様々な方法や、カリフォルニア州における各種所有権の違いをメリット弁護士に詳しく説明していただきました。
エステートプランニングには、次の4つの書類が使われます。
1. 事前医療介護指示書 (Advance Health Care Directive)
2. 委任状 (Power of Attorney)
3. 遺言書 (Will)
4. 撤回可能生前信託 (Revocable Living Trust)
2. 委任状 (Power of Attorney)
3. 遺言書 (Will)
4. 撤回可能生前信託 (Revocable Living Trust)
これらの書類の目的と利点を説明した後、夫婦間の遺産相続、親子間の相続などの解説があり、また日本では相続税として遺産をもらう人が払うがアメリカでは残した遺産に対して税金が課され(遺産税)、遺産をもらう人には納税の義務がないという遺産相続に対する日本とアメリカの課税観念の違いも質疑を伴って詳しく説明してくださいました。 2019年現在の米国市民または永住者に対する遺産税の免除額は1140万ドル($11.4 million)なので、ほとんどケースでは連邦税が免除となること、また、カリフォルニア州は遺産税と相続税の制度がない州なので州税の心配も無いとの説明もありました。 さらに遺産税(Estate Tax)と贈与税(Gift Tax)の噛み合いに関するお話もありました。 ここで注意が必要なのは、非居住外国人(永住権を持たない外国人)に対する遺産税の免除額は6万ドルで、この額を越す遺産には最高40%の連邦税が課税されるということです。
この他にも様々な難しい内容をわかりやすく説明していただき、あっという間に経ってしまった2時間でした。
(レポート 深見優子)
(レポート 深見優子)