ユリ子・エミ・ビヤード

待ちに待ったバケーション。毎年行ったベガスも昨年は我が家の可愛いワンちゃんが具合悪く行けず、久しぶりとウキウキと張り切っての出発。主人もすっかり年を取り、今は6時間と途中でモテルに一泊、次の日も6時間と婆さん、爺さんの旅は思ったより情けない。

 でも私は田舎の景色を眺めながらの旅は大好きで、アーオリーブの木が何マイルも続いている、アー花畑だ、イチゴ・・・、今度はキャベツ畑、そしてコーンと目をキョロキョロと子供の様に楽しい。10年間通ったハイウェイ、そして途中での新鮮なフルーツを食べながら、長いドライブも気にならない。

 でも今年は胸がすごく痛む、悲しい旅でした。まず目に留まるのが、どこまでも続く荒れ放題の光景。アーモンドの木は枯れ果てて見るも無残に所々倒れている。農民やその家族の方たちが何十年間も毎日毎日手をかけて慈しんで作り上げた木や畑も、土色の土地がどこまでも続いている。アーあの緑色の素晴らしい光景はどうなってしまったのかしら・・。そして一人でも多くの人達に見てもらおうと大きなポスターがハイウェイの両側にあっちこっちと立っている。「NO WATER」「NO JOB」「SAVE WATER」と枯れ果てた所に立ててあるのを目の前に、これは大変なことだと、ワクワクも吹っ飛んでしまった。

 Sacramento-San Joaquin River Canalがロスアンゼルスまで流れていますが、今までの様と違って水も少なく、今は制限があるそうで、所々に井戸は見えますが、水も出なくなる所も多く、時々素晴らしい畑が見えるところは、大金持ちか組合のグループがお金をどんどん使って深く掘ることができても、個人の農家は金がかかりすぎて出来ず。又借金をして掘ってもあまり水が出ず、これから干ばつがいつまで続くかのかと不安な人達の話を聞き、水の大切さを考えさせられました。私も主人も一生懸命バケツに洗濯機やお皿を洗った水と重いのも我慢して、頑張ってきましたが、この深刻な問題を目の前に見て、一人でも多くの人達が農家の皆さんの事を考えて、面倒くさがらず、頑張って行動して下さい。

 今年も本格的な水不足、そして後何年続くか分からない異常気候と、一体農家の人達はどうなるのかしら、そして物価は高くなりと、色々と大事な事を教えられ、考えさせられた旅でした。

(了)