ひまわり会は、6月3日にUCSF分子生物学・免疫学研究員の石山賢一氏を迎え、「COVID-19と免疫」というタイトルでZOOMセミナーを行いました。

スライドを用いて約50分に渡り一般向けに分かりやすく解説し、その後聴視者からの活発な質問に答えていただきました。

ここでは、私たちの日常生活に関わる質疑応答の内容を簡単にまとめます。詳しい報告はニュースレターをご覧ください。

Q1. 新型コロナに対する抗体は、感染した場合でも体内で長く存在しないという発表があった。ということは、ワクチンが開発されて予防注射をしてもその効き目は長続きしないということなのか?
A1. 感染による体内での抗体産生には個々人の複雑な免疫環境の違いが影響しているので、これまでの新型コロナ感染症の知見からワクチンの効果を予測することは適切ではない。ワクチンは実験的・臨床的な検証を経て作られるので、一般的には抗体価が持続するワクチンが市場に出てくることが期待される。

Q2. 外出の際にウイルスが衣服や靴について、感染することはあるか?
A2. これまでに汚染表面からの感染が実際どれくらいあったかは分かっていない。感染者の咳やくしゃみによる飛沫で拡散したウイルスは数時間から数日は生存することがあり、衣服や靴に付着した場合は感染源にはなりうる。そのため、人との密な接触があった場合は洗濯や消毒などによって衛生に保つことは大事である。

Q3. 冷凍食品などにウイルスがついた場合、ウイルスは冷蔵庫や冷凍庫でも生き延びることができるのか?
A3. 新型コロナウイルスは、熱には弱いが寒さには比較的強いので、冷蔵庫や冷凍庫で長期間生き延びることは考えられる。ただし、アメリカCDCは、表面や物についたウイルスによる接触感染は主な感染経路ではないとの見解を最近発表しており、衛生的なスーパーなどで買ったものに対してそこまで神経質にならなくてもいいのではないか。何れにしても、手洗いは接触感染の大きな予防になる。

確立された治療法やワクチンがない現段階では、なるべく外出を控え、外出時のマスク着用、ソーシャルディスタンシングの実践、入念な手洗いなどが一番の新型コロナウイルス対策方法です。