5月にはトルー本間玲子博士、6月は石井みわこファミリーセラピストを講師に迎え「良いコミュニケーションをするには」を学びました。

家族の中で何をどう伝えようとし、どうしてそれが「ミスコミュニケーション」の原因になるのかを参加者全員で話し合いました。まず『コミュニケーション』って一体どう言う意味が有るんだろうと話し合いました。元々日本文化の中には英語での』コミュニケーション]と同じ意味の言葉は無いそうです。それで『コミュニケーション』という言葉が カタカナ日本語になりました。縦社会の日本では直接に顔を見合ってお互いに何かを伝え合うという習慣はあまり無く上の意志が上から下へ一方的に伝達されていく方法が主でした。学校でも生徒は先生の教える事を黙って聞いて覚えるのが普通でした。その昔は和歌をやり取りしたり文にお香を炊き込む等という優雅だけど人と人とは直接に触合わない伝達の方法も有りました。以心伝心とか腹芸とかもあります。テレビの時代ドラマを見ていると「うん」「ははあー」なんていう台詞ばかりの場面が有りアメリカ人の友だちは「日本人は唸ってばかりいるみたいだね?」と言われます。アメリカに住んでいる私達と他の文化を背景にしている人達との間では以心伝心式の『コミュニケーション』は通用しません。やっぱり自分の言いたい事をはっきり相手に判るように伝えなければなりません。

『コミュニケーション』とは人間がお互いに意志を伝達し合うプロセスです。
大辞林によれば『コミュニケーション』とは「人間が互いに意志、感情、思考を伝達し合う事。言語、文字、その他視覚、聴覚に訴える身振り、表情、声などの手段によって行う」とある。コミュニケーションは送り手は伝えたい事がありそれを受け取る受け手がいる。受け手は送られた事に対して賛否の合図をしたり誤りを訂正して応える。これをフィードバックと言い、これの繰り返しがコミュニケーションです。人は言葉だけで無くありとあらゆる方法を使って自分の意志を相手に伝えようとします。コミュニケーションには内容面と関係面が有り、言葉にならない色々の要素が含まれています。内容面では、言語、行動、表面上の意味といったはっきりと判る具体的なものです。関係面とは表情、身ぶり、声の大きさ、声の勢い、間の取り方、話し手の姿勢、接触(肩を叩いたり、手を握ったり)話し手の外観(化粧、服装)、場所(立っているか座っているかとか)、社会的な背景(オフィス、学校、家庭)人間関係(地位、家族、仲間、ジェンダー、年代)等が含まれます。この多くがその人の文化的背景から生まれます。相手の目をきちんと見つめて話すか、お辞儀しながら話すか、いきなり抱き合うようにして(ハグして)話し出すとか、文化によって違います。だから人々は互いに「文化」をコミュニケーションしている訳です。では『文化』て何かしらと皆で話し合いました。身の回りの具体的な事例が切りが無い程出て来ました。食、衣服、建築、居住形態、交通手段、通信手段、行事、祭り、冠婚葬祭、芸術、宗教、教育、遊び、風土、倫理観、信念、金銭感覚、価値観、家庭像、等など。

一人の人が背負っている文化って凄く沢山のお荷物なんだなあーと実感しました。
これだけ違ったお荷物を持った人同士が自分の思っている事を他の文化の人に伝えようと言うのだから『コミュニケーション』って難しい訳ですよね。特にアメリカに住んでいるとコミュニケーションの相手が自分と違った文化の人や母国語が違う人の場合が有ります。同じ家族の間でも主に使う言葉が違ったり世代、年代が違えばその人の持っている文化も違います。「どうして私の言う事がわからないのよー!」なんてイライラしたり口からポンポンと言葉を吐いたりせずに『コミュニケーション』とは難しいものと認識してまず自分が何を伝えようとしているのかを良く整理して言葉を選び言葉の配達法(声の大きさとかジェスチャーとか)に気をくばり、今言おうとしている言葉が相手にとってどう聞こえるのかな、どう伝わるのかなと相手の立場になって考える努力が「良いコミュニケーション」の基礎で、良い『コニュニケーション』はどんな人間関係にも大切でいつも努力をしなければならないと学びました。