ひまわり会の皆様、はじめまして。はじめてひまわり会のニュースレターに投稿させていただくことになりました、フランシスコ 怜と申します。

皆さんのメンタルヘルス、フィジカルヘルスに少しでもお役に立てればと思い、今回は‘酸化ストレス’について書こうと思います。

私は普段セラピストとして主に子ども達、家族のセラピーをしています。このフィールドで働き始めたころ、「なぜこんなにADHD,発達障害の子ども達が増えているのだろう」という大きな疑問を持ちました。インターン時代には子ども、家族のセラピーの他にもシニアの方々のセラピーをする機会もあり、この30年間でアルツハイマー、痴呆の診断が世界中でかなり増えているということも知り、子どもたちに起こっている変化と何か関係がしているのではないかとふと疑問に思ったのを覚えています。

私は暇があればいろんな本を読み、セラピーに活かしているのですが、先月すばらしい本との出会いがありました。ADHDの最新のトリートメントの本を探していたのですが、まさに私の上記にあげた疑問に答えてくれたのです。‘Staying focused in a hyper world’ by Dr. John Grayという本です。残念ながら日本語訳はまだされていません。ドクター、グレイは実はリレーションシップのエキスパートでベストセラーにもなっている「男は火星人、女は金星人」シリーズの著者です。皆さんの中でもお読みになった方いらっしゃるのではないですか?ではなぜ急に彼がADHDの本を書こうと思ったのだろうと思いますよね?実は彼はパーキンソン病の初期と診断された頃、脳のことを勉強し始め、薬に頼らずに自然療法(サプリメントやボディワーク)で病気を完治させたのです。脳を勉強している最中に自分がADHDの症状があることに気づき、今度はその原因を探り始めるという研究が始まりました。もちろん、彼のADHDの症状も自然療法でなくなりました。著者によるとここ30年間のADHDや発達障害、アルツハイマーの増加は‘酸化ストレス’が原因ではないかというのです。ADHDは80年代までは存在しなかった障害なのはご存知ですか?アルツハイマーも30年前はいたって珍しい病気でした。今現在アメリカでは、10人に1人の子どもがADHDと診断され、9人に1人の65歳以上のシニアがアルツハイマーと診断されるまでになりました。世界中でこの数字はどんどん上がっています。著者はこの数字に目をつけ、この30年間に起こったさ まざまな社会の変化に焦点をあて、‘酸化ストレス’が脳内、そして腸内に起こす変化がさまざまな現代病を生み出しているという見解を示しました。著者は‘酸化ストレス’の主な原因となっている食べ物、ライフスタイル、薬などを本の中で紹介しています。例えば、砂糖、遺伝子組み換え作物(GMO)、MSG、グルテン、保存料、合成着色料、化学調味料、水銀、ストレス、ビデオゲーム、環境汚染、携帯電話がその中に入っています。この30年間で私たちの生活が豊かになったと共に、予想もしなかった危機的事態が私たちの身体には起こっているのです。例えば、GMO。アメリカではGMOが入っていない食べ物を見つけるのが難しいのではないでしょうか?アメリカでは記載の義務もありませんし、ナチュラル系のストアに行かない限り、NON GMOの表示を見ることはあまりないですよね?お肉は大丈夫と思っていませんか?オーガニックではない限り、家畜はだいたいGMOの入ったコーンをえさとして与えられています。GMOがいたるところで増えた結果、栄養価の数値がクオリティが落ち、30年前のオレンジと現在のオレンジを比べると栄養価が4分の1だそうです。(オーガニックを除く)食べ物だけではバランスよく栄養をとるのが難しくなり、なぜサプリメントが栄養補助として必要なのか理解できますよね。

私が驚いたのは風邪薬などにはいっているアセトアミノフェンや誘発分娩も 発達障害やADHDのリスクを増やすということがリサーチによって証明されていることです。こういった薬も80年代に開発されました。本の中で筆者は薬に頼らず自然に症状を治す方法を紹介していま す。もしお子さんがハイパーで困っているというお母さん、まずは保存料、化学調味料、合成着色料、砂糖、グルテンを減らすことでかなり症状はよくなります。あ とはサプリメント。グループフルーツエクストラクトとマルチビタミンを一緒に朝にとると効果があるようです。食物だけではなく、運動、ボディワーク、タッピング(つぼを軽くたたく方法)、熱いお風呂などが紹介されています。本の後半では病気や症状別にかなり細かくお勧めのサプリメンが紹介されています。もし興味がある方は是非本を購入してみてください。最新のリサーチの情報がたくさん載っています。これからセラピーで自然療法を紹介するのをとても楽しみにしています。きっと多くの親御さんが試してくれると信じております。もし何か質問があれば是非ご連絡ください。

 

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*怜フランシスコ・山田さんはオークランドでPrivate Practiceのオフィスを持つ傍ら、バークレー精神衛生局でセラピストとして活躍されています。