「旅に出る2:千ピースのジグゾーパズル」梁(りおんぐ)裕子

ジグゾーパズルの箱には出来上がりの絵がありますので、色分けしたり、形わけをしたりして、なんとか形になっていきます。残念ながら、私たち自身がどんな形の“ピース”なのかどこにはめ込まれていくのかは命をくださった神のみぞ知るところ。

居心地がどうも悪いな、なんとなくすっきりしないな、違うなと思うのは自然な事でしょうね。それが、徐々に、居場所がここじゃないかなと感じられたら嬉しいですよね。それが、この頃の私の心境、そして、こうしてひまわり会のニュースレターに書く機会をいただけて、感謝です。

では、オランダ・英国の旅。ゴッホの事を余りご存知ない方でも、彼のひまわりの絵をご覧になったら、“アー、知ってる、耳を切った人でしょう?”とおっしゃるかもしれませんよね。ゴッホはレンブラントとともにオランダが生んだ画家。アムステルダムにはゴッホ美術館がhttps://www.vangoghmuseum.nl/en そして、アムステルダムから汽車とバスを2回乗り換えてたどり着けるのがKroller-Muller(日本語でどんな風に発音していいのかわかりません。)ゴッホギャラリーhttp://krollermuller.nl/en/van-gogh-gallery リックステーイブもそのオランダ・アムステルダム旅行ガイドブックで書いていますが、車なくして辿り着くのは容易ではありません。まして、ギャラリーは国立公園の中。この旅の主目的がゴッホですから公園の外にある宿 http://www.dehoutkamp.nl/en/ も教えてもらって2泊3日を予約、丸一日過ごせるようにし、アムステルダムに戻った翌日はゴッホ美術館の個人ツアーを計画。書いてしまえば何でもないようですが、この予定が決まるまで、どれだけメールのやり取りがあったことか。Airbnbを利用してアムステルダム市内に1週間、小さな台所がついた部屋を予約してあったのに2泊3日は他に泊まるわけですから勿体ないですよね。でも、こういう時、ケチはしない。このAirbnbのホスト、イボーンさんには、旅行の計画を立てるのに色々なアドバイスを戴いたのに、間際にそれこそドタキャンはしたくありません。

出発する前に支払いが出来るものはクレジットカードで済ませましたが、2泊3日の宿はキャシュでというお願い。手持ちのユーロではチョト足りないかな?でも、ドルからユーロに替えるのはキャシュカードがありさえすれは、到着した時点でユーロを引き出せばいい。又、携帯電話も空港でシムカードを入れ変えてもらえば簡単というのが大方のアドバイス。サンフランシスコからアムステルダムへの直航便は無く,ドイツのフランクフルトで乗り換え、無事に空港から汽車・市電を乗りつないで暗くならないうちにアムステルダム市内に何とか辿り着き、イボーンさんから鍵をもらいます。“明日から、私は南アフリカに自転車旅行に出るから、でも、何かあったら、ここに連絡して!”その夜は、近辺を歩いて、マーケットでお買い物。キャシュマシンは見つからず、サンフランシスコ空港で両替を少しして来て正解。携帯電話の顛末は話が長くなるから、省略。

アムステルダムはサンフランシスコの様に、いろいろな顔をもつ街ですが、足首を折って半年にもならない骨粗しょう症持ちの熟年は、お日様が沈んだら、暖かい食事をとってバタンキュウ。そういうわけで、朝の目覚めは早い。荷物を小さくまとめて、汽車の駅、切符の買い方、何処に何がどんな風になっているのかもトンチンカンながら出かけました。2月末の霜が降りている時期の週日、貸し切り状態でゴッホと対面してまいりましたよ。ゴッホと彼の家族・友人、彼が置かれた時代背景、そして、日本への想い、興味は尽きません。      (了)