日本では、やましたひでこさんの断捨離とか、2015年にTIME誌で「最も影響力のある100人」近藤麻理恵さんが選ばれたように、自分の家を片付けることがちょっとしたブームになって います。自分の家や、職場の自分の机の場所は、自分の心の状態の鏡と言ってもいいでしょう。スッキリ片付いた空間は、とても気持ちのいいものです。

私が20年前に結婚して永住権もない頃、主人の友人のMarin countyのTiburonにある6 ベッドルームの大邸宅のお手伝いをする機会に恵まれました。それから2年後に、その友人は引越しすることになり、毎日、約1ヶ月かけて物の処分とパッキングをしました。 その後、私の両親の他界後の東京の実家の整理、友人の引越しの手伝いなどを経て、物を整理して行くことがどんなに大切なことかを実感し、10年程前から家の片付けのお手伝いを仕事とさせていただいています。

特にアメリカは日本に比べて家は広いし、空間を埋めるためのデコレーションやクリスマスのデコレーションなど、物が多くなりがちです。多くの方が、いつか整理しなきゃと思っている場所が家の中にきっとあるはずです。探し物が見当たらなくて、それに多くの時間を費やしたり、持っているのに出てこないから新しくまた買ってしまったりするのは、時間も、お金も、それに費やすエネルギーも無駄になってしまいます。

物が少なければ少ないほど整理もしなくて済みますし、身軽になります。あるべき物があるべきところにきちっと片付いていると、自分が本当にやりたいことも見つけやすくなります。人生が変わると言っても過言ではありません。

そのためには、まず行動あるのみです。

私のお客様の中には、自分だけでもできるんだけど、一人でいるとオーバーウェルミングになってしまって手がつけられなくて手伝って欲しい、時間がない、という方が多いのですが、いるかいらないかはご本人に決めていただくしかありません。愛着あるものとの別れは辛いです。いただいた物も捨てがたいです。でも捨てたり、寄付したり、あげたり、その物が次に行くべき所があって、生かされるところがきっとあります。辛い以上に喜びがあることは間違いないです。

まずは一番気になっているところから始めてみてください。1時間あったら、いつも使うペンや文房具が入ってるゴチャゴチャした引き出しがきれいになります。一つやってみると、次の引き出しもやりたくなるでしょう。キッチンやガレージ、パントリーはどうですか?

春はお片付けに絶好の時だと思います。窓を開けて、風を通して、家の空気も循環させましょう。心に余裕ができて、落ち着いて仕事ができて、家事がスムーズに運びますよ。

河合順子