花かごは日本語で自由に想いを表現しようという集まりです。従来のルールにとらわれず 俳句や川柳や詩やエッセイを作り持ち寄って 好きな作品を選んだり エッセイの題について色々話し合います。言葉にすると文化の違いや歴史の移り変わりを反映した作品など思い掛けない発見があります。集まった作品の中からいくつか紹介します。紙面の都合上全て載せられないことをご了承ください。日時:毎月第2水曜日、午後1時から3時 、参加費1ドル

場所:Richmond Annex Senior Center, 5801 Huntington Ave. Richmond

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エッセイ「あれから四十年」  カズ子G

誰かさんのフレーズをお借りします。 1978年7月、猛暑の日本を後にして家族4人伊丹空港からパンナム機で一路San Franciscoへ。新一世の新しい国での生活が踏み出されました。これは冒険?挑戦?とかなり緊張を強いられた反面、曲がりなりにも日本で六年間の 英語教育と寄らば大樹の陰ならぬ大国の陰と多少リラックスした面もあったと記憶しています。見送ってくれた両親に「まあー 石の上にも三年・・・」というからと気丈に語ったようにも思います。まず困ったのはやはり言葉の壁でした。これは未だに続いておりますが。しばらくするうちに日本にない季節感を肌に感ずるうちにすっかり快適な気候に一目惚れならぬ気候ぼれ あれから四十年。 我が人世の半分以上をここに暮らす今。

いろいろ筆舌に尽くし難いできごともありましたが・・・。

幸い生来の好奇心と趣味の二つ三つに助けてもらい 読書もその一つです。言い古された言葉通り「住めば都」、だの 「人生は旅人」を実感しながら現在に至っています。

 

 俳句・川柳

 

カート押し 行きつ戻りつ 松茸売り場  マリコ

(主婦の生活感 経済感に皆共感する。)

 

ゆく年や また一人 去っていく  カズコ T

(終末ケアーの話の後のせいもあってか 人が亡くなって行く寂しさを

詠ったこの句が選ばれた。)

 

湯たんぽを 親と感じる ヒヨコかな  ジュンコ

(ヒヨコたちの愛らしさが目に浮かびます。)

 

ハイテクに 置いてきぼりの ババとジジ  エミ

(正直でユーモラスなエミさんの話に皆大笑い。

「置いてきぼり」という言葉の寒々しさの気持ちがよく表されている。)